花蜜のしたたり

いい歳でもエロスがなければ生きていけない。

宇多田ヒカル「Fantome」に泣く

宇多田ヒカルの新しいアルバム「Fantome」に心つかまれた。


宇多田ヒカルは、いいソングライターだとは思っていたが、世代も違うし、異性だということもあって、正直なところ琴線に触れることは今まであまりなかった。15歳の頃の「Automatic」には驚かされたものの、前夫、紀里谷和明と作った「traveling」のPVなどの奇抜さにもあまり心揺さぶられなかった。


NHKとと姉ちゃん」で首題歌として使われたことも意外な感じがあっただけで、フルコーラス聴けないこともあって、微妙に方向転換したかなという印象はあったものの、あまり気に留めていなかった。


ところが、新アルバム全部を通して聴いたところ、彼女の変貌がひしひしと伝わってきた。


私の主な印象。


●以前に比べ、詩が良く聞えてくる
●全体的に曲調がゆったりしていて、大人のゆとりを感じる
●伴奏の音数が少なく、シンプルに「歌」で勝負している
●母親への想い、青春、不倫を彷彿させる関係等、様々な状況が描かれていて、懐の深さを感じる


特に響いてしまったのが椎名林檎とのデュエット曲でもある「二時間だけのバカンス」だ。


ネット上でもいろいろな解釈が論じられているが、宇多田ヒカル椎名林檎へのラブコールだとも読めるし、正しい関係ではない男女を描いているようにも聞えなくもない。


結局どちらに決める必要もないと思うが、「朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ」「家族の為にがんばる 君を盗んでドライヴ」などという、ある意味やたらリアリティある「生活感」がにじみ出ているフレーズを宇多田ヒカルが書くなんて!


なんか大人になったんだなぁと感じるが、彼女はまだ33歳?
33歳でここまで成熟した歌が書けるなんて、やっぱり早熟だったのだなと改めて感心した。


iPhoneをクルマにつないで運転していたが、「二時間だけのバカンス」は途中で椎名林檎がさりげなく割り込んでくるかっこよさも手伝って、泣けて泣けて仕方なかった(一人の空間だと結構泣くw)。


なぜ泣けたかって?


私の場合は、やはり自分の思い出が引きずり出されたということかな。
特に「家族の為に頑張る君…」の部分に、自分が励まされているように感じてしまって、グイグイと心奪われました。


週末以来、ヘヴィロテです。

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